
業務委託契約のデジタル化は、コスト削減だけでなく、自分を守る強力な証拠を残すことにも繋がります。印紙代不要の仕組みや電子署名の安全性、クライアントへの提案方法まで、エンジニアが実務で活用するためのポイントをまとめました。
業務委託契約を結ぶ際は、事前にメリットやデメリットをしっかりと把握しておきましょう。
フリーエンジニアは長く良好な付き合いができるエージェントを厳選し、業務委託案件を獲得しよう
フリーランスとクライアントとは、法律上は対等な契約当事者の関係にあるとはいえ、やはり現実的な力関係は、クライアントの方が上というのが通常です。下手に口出しをすれば仕事をもらえない、あるいは契約を切られるのではないかと、戦々恐々としているフリーランスも少なくありません。契約書の作成は、本来的には当事者のどちらが作成しても良いものですが、個々の契約を書面で交わす場において、クライアントが用意した契約書を使用することが通常のようです。中には市販の「業務委託契約書」をそのまま利用する場合もあるでしょうが、フリーランス側も法律に疎いことが多く、クライアントの言いなりになってしまっている向きがあります。
しかし仮に契約書を作成したのがクライアントであれば、クライアントに有利な内容が記載されていてもおかしくないにもかかわらず、読みもせずに判を押してしまったが故に、その通りに契約を履行しなければならなくなってしまいます。契約書に署名・捺印をするということは、その契約内容を自ら認めるということを意味し、後々トラブルになってから「知らなかった」では済まされないという重い責任があるのです。つまり相手の無知に乗じて自分に有利な契約を結ばせるということが現実にあり得る以上、フリーランスの自衛策として、契約書を自ら作成する方が良いといえます。
たとえフリーランスとクライアントとの間において、実際に完成させる仕事の内容や納期や報酬についての交渉が事前に成立していても、契約内容として書面に記載されるものは、それがすべてではありません。特に予期せぬトラブルが発生した場合の責任の範囲や損害賠償などについては、あまり意識してお互いに話し合うことが無い部分かもしれませんが、後々トラブルが発生すれば俄然効力を発揮して、その処理の基準となるものであり、充分に注意する必要があります。
特にITエンジニアの場合、完成させる業務内容によっては、高額の損害賠償金を請求される恐れもあり、どのようなリスクが潜んでいるのかを、ある程度想定しながら契約書を読む必要があります。一通り契約書面を読んでみて、分からない点は相手方に一つ一つ丁寧に確認し、理解するように努めましょう。また自分にとって不利な点や、どうにでも解釈できる曖昧な文言など、修正してもらわなければならない点は、署名捺印をする前に、きっちりと修正を求める姿勢を示すことも大切です。「ここだけのものだから」「形式的なものだから」などと口車に乗せられて誤魔化されても、泥仕合になった後には、泣きを見るのは自分であるということを忘れてはなりません。