業務委託契約を結ぶ際は、事前にメリットやデメリットをしっかりと把握しておきましょう。
業務委託契約の途中解除を申し出る場合、今後もフリーとして活躍していくことを考慮し、なるべく信頼関係を損なわないよう進めるのが良いでしょう。そのためには契約内容を確認のうえ、相手方への相談や適切な対応を取ることが重要です。
フリーエンジニアは長く良好な付き合いができるエージェントを厳選し、業務委託案件を獲得しよう
ITエンジニアが会社の雇用を離れて、独立して仕事を始めると、クライアントとの間において業務委託契約などを結ぶことが一般的です。これはフリーランスにとって、依頼される個々の仕事の完成に対して、報酬を支払ってもらうための重要な契約です。
その際、クライアントから「業務委託契約書」などと題した書面に、判を押すよう渡されるかもしれませんが、民法上、「業務委託契約」という類型が、あらかじめ定まっているわけではありません。そもそも日本では、当事者同士の自由な意思によって取り交わした約束は、一定の場合を除いて有効という、「契約自由の原則」が認めらています。そのため基本的には、契約の内容を当事者が自由に取り決めることができるのであり、「業務委託契約」というものも、実は民法上は「委任」や「請負」といった類型に該当する場合が多いといわれています。
どのようなタイトルであれ、契約書の内容に書かれたものは、基本的には裁判において、その通りの義務の履行や権利の行使が認められると考えて良いでしょう。そのために契約書に双方が署名捺印をして、それぞれに1通ずつ手元に保管することが通常です。もちろん契約は書面にしなければ効力がないということではなく、口約束も有効です。しかし後々紛争に発展した場合、「言った」「言わない」の水掛け論になれば、裁判に訴えて判断してもらうより他ありません。この裁判における公正な判断の根拠となるのが、契約書に書かれた内容になるのです。
しかし定型の契約書を利用している場合など、個々の契約において判断するのに不足する部分については、民法などの規定を用いることになります。契約内容が「請負」や「委任」などに該当する場合には、その民法上の規定から解釈されることにもなるのです。その他、同種の裁判における判断の積み重ねが、「判例」として一定の道筋を示すことがあります。民法の規定を適用したり、契約書の文言を解釈する上で、具体的な個々の事件において、どのような判断が妥当であるのか、実際のところは曖昧な点もあるからです。
このような契約書を実際に目の前にすれば、何をどうしてよいのか面食らってしまうかもしれません。読み慣れない独特の言い回しや法律上の専門用語など、理解しづらく、つい安易に署名・捺印してしまいがちです。しかしフリーランスは会社勤めとは違い、自分の身を自分で守らなければなりません。契約書に署名捺印をするということは、その内容を理解して、その内容通りの効力の発生を認めるという意味であることを、充分理解しておく必要があります。