業務委託契約を結ぶ際は、事前にメリットやデメリットをしっかりと把握しておきましょう。
業務委託契約の途中解除を申し出る場合、今後もフリーとして活躍していくことを考慮し、なるべく信頼関係を損なわないよう進めるのが良いでしょう。そのためには契約内容を確認のうえ、相手方への相談や適切な対応を取ることが重要です。
フリーエンジニアは長く良好な付き合いができるエージェントを厳選し、業務委託案件を獲得しよう
フリーランスが業務委託契約を結ぶメリットとしてまず挙げられるのが、自身の専門性を存分に活かせることです。会社員として働いていると、必ずしも自身の得意分野で活躍できるとは限りません。しかし業務委託の場合、受ける仕事は自分で選択できます。これまで培ってきたスキルや知識を発揮できる案件に着手することで、クライアントから高く評価されるでしょう。伸ばしたいスキルがあるのなら、その分野に特化した案件を継続的に獲得することで、スキルアップも望めそうです。
自由度が高い点も、業務委託契約を結ぶメリットです。業務委託契約を結んだ場合、一般的に企業の雇用形態に従う必要はありません。クライアントとの取り決めに従って成果物を納品すればいいので、勤務時間などは特に決まっていないことが多いです。会社特有のルールに縛られることもないので、自由度の高い働き方を実現できるでしょう。また、リモート勤務が可能な場合、働く場所も自由に選択できます。
収入アップが可能な点も大きなメリットです。業務委託契約の場合、報酬は基本的に時給や月給換算ではありません。あくまで成果物に対する報酬を受け取るケースが大半です。そのため、高いスキルと交渉力があれば、案件の単価をアップしてもらえる可能性があります。難易度や成果が報酬に直結するので、仕事へのモチベーションも維持しやすいでしょう。また、業務量も自分で調整できるので、多くの仕事をこなせばそれだけ収入アップが目指せます。
雇用側がフリーランスと業務委託契約を結ぶメリットは、教育コストを削減できる点です。自社でスタッフを一から雇う場合、そのスタッフにスキルや知識がなければ一から教育する必要があります。その点業務委託を利用すれば、専門性の高い人材に仕事を任せることが可能です。高度な領域は最初から専門家に任せた方が効率的かつ、ミスの防止にも繋がります。フリーランスに任せた分、人的リソースをより注力したい分野に充てることも可能です。
人件費を節約できる点も、雇用側が業務委託契約を結ぶメリットです。従業員を雇う場合、毎月の給与が発生します。そのほかボーナスや社会保険料、福利厚生費、備品代など、何かと費用がかかるものです。その点業務委託契約の場合、任せた仕事に対する報酬を支払うのみで済みます。特に専門家を社内で正式に雇う場合は多大な人件費がかかりますが、業務委託契約であればコストを大幅に削減できるでしょう。
フリーランスが業務委託契約を結ぶデメリットは、労働基準法が適用されない点です。フリーランスは企業に属するわけではないので、労働基準法に守ってもらうことはできません。そのため長時間労働や成果に見合わない報酬が発生しても、泣き寝入りするしかない可能性もあるため注意が必要です。雇用保険や労災保険にも入れないため、何かあったときのために自ら保険や共済に加入しておいた方が安心でしょう。
また、確定申告をはじめ、各種手続きを自分で行わなければならない点もデメリットです。特に確定申告を行う場合は必要な書類を集めたり経費を計上したり税務署に行ったり、多くの時間を取られてしまいます。すべて自分で行わず専門家に頼む方法もありますが、経費がかかってしまうのがデメリットです。
収入が不安定な点も大きなデメリットといえるでしょう。定期的な契約を結んでいない限り、フリーランスが毎月収入を得られる保証はありません。特に駆け出しの頃は仕事が安定せず、報酬を獲得できないといった事態に陥る可能性もあります。目先の収入に釣られて低単価の業務委託契約ばかり結んでいては、収入アップをすることも難しいでしょう。
雇用側がフリーランスと業務委託契約を結ぶデメリットは、社内の人材が育ちにくい点です。専門的な部分を業務委託に頼ってばかりいると、いつまでたっても社内にノウハウが蓄積しません。かといって案件が変わる度に専門家を雇っていては、かえってコストが高まってしまう可能性もあるでしょう。どの業務を業務委託に任せればより効率的か人件費を削減できるのか、雇用側はしっかり把握しておく必要があります。
また、社内管理が難しい点もデメリットです。業務委託契約を結んだフリーランスには、会社の規定やルールを適用できません。独自の仕事のやり方を貫かれた場合、社員の不満が溜まったり統率が乱れたりして現場が混乱するリスクがあります。また、業務委託は責任を負う立場にないため、中には不誠実な対応を取る人や情報漏えいを安易に行ってしまう人もいるかもしれません。